■就職活動日誌■
図書館勤務A
○3年生の1月:毎日就活EXPOに参加する(初めて具体的に行動を始めた日)
それ以前は、毎日就職ナビ、日経ナビ、みんなの就職活動日記等で情報収集をしていた。と言っても、出版業界の具体的な仕事の内容や、業界の間口の狭さ(一握りしか受からないなどといった情報)、就活において気をつけなければならないこと等の情報を得る程度。Webエントリーは全くしていなかったように思う。
○3年生の2月:Webエントリーを開始する(就活に本腰を入れ始めた)
就活ナビサイトで出版関係の会社を検索し始めた。Webエントリーは、なぜ会社に興味を持ったのか等を記入しなければならないところは避けて、基本的な内容(登録情報)のみでエントリーできるところだけ。ここにきて積極的にならなかった点は非常に情けない。結果的に10もないくらいしかエントリーしなかった。
また、この時大好きな本屋を経営する出版社(出版・流通・小売をすべてやる出版社)のHP上で、スタッフ募集(中途採用)を見つけ、最後の最後、一つも内定をもらえなかったら、熱意だけを携えて中途採用の枠に果敢にチャレンジしようと決めた。しかし、新卒でも応募可能かどうか電話でまずは確かめるべきであり、常識が足りなかったというか、知恵が足りなかったとうか・・・(後になって分かったことだが、実際に“みんなの就職活動日記”には、直接電話して聞いたという人の書き込みが何件もあった)。この時点でもまだ引っ込み思案のままで、就活に本気になっていないと言える。
○3年生の3月:2社の採用試験に臨む(民間会社に対する唯一の就職活動期間)
転職支援のベンチャー会社(情報誌の編集)と、通販雑誌を編集・刊行している会社を受けた。どちらも、内定もらえたらラッキー、とりあえず内定もらって安心したいなという「手始めに」という気持ちで挑んだ。後者は一次試験で不合格。前者は書類選考、グループワーク、SPI、個人面接まで進んだ(それ以後内定をもらうには集団面接2回のステップがあった)。面接において、出版関係に進みたいこと、どこもダメだったらダメもとで受けようと決めている出版社があること等、とにかく本が好きだというアピールをしてしまった。「本当に素直ですね」の一言をいただき、前向きに受け取るが不合格。
転職支援のベンチャー会社の採用試験を進んでいたときに、「自分にはいくつもの試験を抱えるのは無理だ。一つずつ丁寧にぶつかって、ダメならその時また探せばいい。それも運命だ」と自分に言い訳して、他の採用情報を収集しなかった。そのため、不合格となった時には再びスタート地点に戻ってしまった。しかし、一旦立ち止まることとなったその時間が重要であった。その際に、自分の進路について再考したのである。「本を編集するという仕事がしたいのだろうか。そうじゃなくて、人が本と出合う場所で、その手伝いがしたい」という想いに変わった。始めは本屋を志望業種にしようと思ったが、その時点でエントリーを締め切っている会社が増えていたことでやる気を削がれる。また、本屋の業務が最終的には利益を追求するものであることに違和感を持っていたことから、再び立ち止まる。そして、ここから就活は長い休みに入る。
○4年生の5月:スイッチを入れる(来年からどうするんだ?と不安になってくる)
3月に就活を一旦停止した時点で、就活に関しては何も考えていなかった。しかし、大学を卒業した後一体どうするつもりだろうと、自分で自分をいぶかしく思う。友人のアドバイスもあり、図書館での仕事を視野に入れる。しかし、この時は公務員にならなければ図書館で働けないんでしょという程度の知識しかなかった。将来的に(子育てがひと段落した時など)図書館でアルバイトをしたいなと以前から考えていたため、とりあえず司書の資格を取ろうと決意する。
<司書資格を取得する> 司書の資格を取るためには、必要科目20単位の取得と大学(短大)及び高等専門学校卒業以上という条件がある。社会人、一般人及び在籍する大学で単位取得ができない人は、司書講習を受ける。司書講習とは、7月下旬(もしくは8月初旬)から9月中旬(もしくは下旬)までの期間に、全国10数校の大学で開講されている。各校の募集期間に、履歴書や作文等必要書類を送付し合否判定を受ける。ほとんどの大学で、6月までに募集は終わってしまう。私が応募したのは、亜細亜大学と明治大学の司書講習であった(念には念を入れて2つ応募したが、受講してみると1校しか受けていないという人がほとんどであった)。どちらも合格をもらったが、拠点とする姉の家から通いやすい亜細亜大学を選び受講した。ちなみに亜細亜大学の司書講習の詳細は、応募締め切りが5月26日、合否結果の発送が6月9日、受講料は13万円(全科目受講)。その他に教科書代が3万くらいである。 |
また、この時期久しぶりに就活ナビサイトを訪れてみると、ダメもとで受けようとしていた会社の新卒採用情報が載っていた(実に5年ぶりの新卒採用とのことだった)。しかし、すでに募集は締め切られており、秋にまた募集を行う予定であると書かれていた。この時、私の就活において最大の後悔をした。その後、この会社の秋採用の情報は掲載されなかった(8月の中旬まで情報が更新されないか毎日チェックしていた)。
○4年生の7月・8月・9月:亜細亜大学での司書講習(すばらしく充実した日々)
司書講習は7月22日から始まり、最終日の9月16日まで、月〜金は9時から17時05分、土は9時から14時30分という日程で行われた。2日間に1回はテストがあり、同時にレポートを課されることもあったため、3つレポートを溜めることもあった。相当ギリギリだったが、どうにかほとんどの科目でA判定をもらい、無事に単位を取得した。
司書講習は体力的にも相当厳しいものであったが、日々学ぶことの楽しさを実感しながらあっという間に過ぎてしまった。この講習を通して、図書館業務に大きな魅力を感じるとともに、司書になりたいと強く思った。地域の人々のために無料で本を提供する図書館において、汗を流し知恵を絞ることが自分の求める仕事だとはっきりと認識した。この講習を終えた時に、私はやっと自分の進みたい道を決定することができたのである。相当遅いスタートであった。しかも、司書資格取得者に対して募集が少なく、図書館で正職員として働けるのは1割もいないということも知った上での進路決定である。元から、アルバイトでも派遣社員でもいいから図書館で働きたいと考えていた。そのため、業務委託が進んでいるために求人が多い東京で仕事口を見つけようと決めた。
○4年生の10月:仙台でのインターンシップ、そして卒論(全く就職活動はしていない)
10月のはじめに仙台の多目的文化施設においてインターンシップを行う。もともとこの施設が好きで、将来はこの施設内にある図書館で働きたいなと考えていたりもする。インターンシップの募集は5月で、そのころはこのような文化施設の管理運営の仕事も楽しそうだなと考えていた。しかし、この施設の職員募集は過去5年間一度もなかった。そこで、何か有益な情報が得られるのではないかとインターンシップをすることに決めたのである。結果的に5年ぶりの職員募集の情報はあったものの、学芸員資格が必要であったことと図書館で働きたいと強く思っていたことから、必死に懇願して試験を受けさせてもらうということはしなかった(他に大学院卒業も応募条件にあったが、頼めば受けさせてもらえるようであった)。
その後は、司書講習で取り掛かるのが遅くなってしまった卒業論文に頭を悩ませて日々を過ごした。
○4年生の11月:進まない卒業論文と日本図書館協会(非常勤職員募集の情報を得る)
卒論のテーマが定まらず、書き進めることができない日々。やっとテーマが決まったのは11月の2週目の月曜日。卒論を書くために情報を得ようと日本図書館協会のHPを訪れる。そこで何気なく見た求人情報の欄に、K区立図書館の非常勤職員募集の情報を見つける。図書館を卒論のテーマに選んでいて本当によかったと感じた瞬間である。葛飾区立図書館の募集内容は平成19年4月1日から、月15日間の1日8時間勤務で一年契約(更新4回まで可)。募集人数は20人であった。12月10日までに履歴書を送付し、12月23日に一次試験(1,000文字作文)、1月21日に二次試験(面接)という日程だった。
○4年生の12月:K区立図書館非常勤職員に応募、そして一次試験(久しぶりの就活)
履歴書には、ISFJに取り組んだことと、卒業論文のテーマが図書館の外部委託だということ、そして図書館で働きたいという意欲を盛り込んだ。一次試験での作文のテーマは「これからの図書館サービスについて」というシンプルなものであったが、何も用意しておらず作文試験も初めてであったため、大失敗をした。1,000文字では書ききれないほどの内容を書こうとしたために、一つ一つが箇条書きのようになってしまったことと、下書きに時間をかけてしまったため、タイムアップで作文が書き終わらなかったことである。作文は書きたいことがたくさんあっても一つに絞らないと書けないよ、というありがたい忠告を無駄にしてしまったことに大反省であった。字も汚くなってしまい、もうダメだと思った。
○4年生の1月:思いがけない一次試験通過と二次面接試験への準備(私の大一番)
1月9日に結果が届くが、卒論を提出してから開けようと決め、結局11日に結果を見る。思いがけない合格通知に、意気揚々と母に報告する。二次試験では面接時間がどのくらいあるのか分からなかったが、卒論の内容、志望動機、自分の長所・短所、自己アピール、どのように働きたいか、学生生活の思い出等、質問されそうなものについて答えを準備する(やんわりとしたものでよい。何が言いたいかだけ明確にしておくことが重要)。
1月21日の14時に会場に着くと、一人10分くらいだということが分かる。また当日は50名が試験を受けており、予想以上に一次試験のハードルが低かったことに驚く(一次試験には70名いた)。でもそれで命拾いできたのだから、とてもラッキーだと感じた。質問されたのは、卒論の内容、児童サービスについて、どんな風に働きたいか、(講座を企画して実行したいと答えたら)具体的にどのような講座か、(ビジネス支援に関する講座だと答えたら)ビジネス支援を図書館が担う必要性について、健康状態についてなどであった。手応えはあったが、2月の上旬に発送される結果が手元に到着するまで祈って待つしかない。
○4年生の2月:K区の結果待ち、そしてさらなる挑戦(二度目の戦いに挑むかも)
二次試験が終わり、ゼミの卒論発表会も終わって落ち着いた2月1日。ふと、他の区の図書館でも非常勤職員の募集がないかと思い立ち調べてみたところ、S区、M区、T区で募集を発見。S区は給与が高く募集人数も12名と間口も広かったが、1日が締め切りだったため応募できず。非常勤の募集などないものだと思い込み、積極的に情報収集をしなかったことに少し後悔。M区、T区はまだ応募できるが、どちらも若干名の募集。だが、T区に応募することは決めている。私の飽くなき挑戦はいまだ続いているのである・・・
<まとめ>
お気づきのように、私の就活は実にお気楽なものであった。始めのうちは、みんなが内定をもらうころに内定が欲しいというだけの気持ちと、場数を踏んで慣れておいた方がきっと得だなという意識から、じっくりと自分のやりたいことを考えずに就活をした。しかし、そんな気持ちでいては、緊張感や自分を鼓舞してくれるような良い意味での焦りは生まれない。すぐにエンジンが切れてしまうのである。私がなかなか本腰を入れられなかったのは、真に自分のやりたいことを見つけていなかったからだ。そのために仕事をする、社会に出るという意識も低かったように思う。「本当にやりたいことを見つけてください」なんて、当たり前すぎるほど当たり前のことである。しかし、もし就活中に本気になりきれない自分を見つけたら、「本当に自分がやりたいことは何か」ということを、立ち止まって考える時間を作ってほしいと思う。
では、以下に重要だと思うことを挙げる。はっきり言ってしまえば、これはほとんど自分ができなかったこと。だからこそ大切さに気付き、みんなには是非やってほしいと思うのである。
・自己分析をする
私はとうとう最後まできちんとした自己分析をしなかったが、自分のことを知っておくことはたいへん重要である。
・自分のアピールしたいこと、言いたいことを明確にしておく
面接時には、答えをガチガチに用意していくことはせずに、何が言いたいのか頭の中ではっきりさせておくこと。
・相談相手を見つけておく
私はすべて東京での就活だったが、その際に姉の家を拠点としていた。姉と私は年子で、姉が前年の就活でかなり苦労をしていたため、ものすごく頼りになる相談相手であった。
また、転職支援会社を受けた際に、グループワークで一緒だった女の子に名刺をもらった。外部に就活仲間が欲しい人は、参考にするといいかもしれない。
・自分は大丈夫だと思い込みすぎない
自信を持つことは大切だ。しかし、楽観的に構えすぎてスタートを切る(行動を起こす)のを先送りしていては、もったいない。私の場合は、今まで最後の最後にはなんとかなってきたという自負から、ギリギリまで必死にやらなかった。しかし、そうやって過ごしてしまったことで重要な情報をみすみす逃してしまったことには、とても後悔が残っている。情報を得ることは納得のいく就活をするための準備に過ぎない。今すぐ行動を!
・落とされても落ち込まない
「結局は相性だ」と幾度となく姉から聞かされた。会社との相性、試験官との相性。たまたま自分と相性のよくない人に当たってしまったら、しょうがないのである。切り替えて、次の出会いに期待すればいい。切り替えるために、どこが違ったかなと振り返りたいなら、ちゃんと記録を残しておくこと。就活日誌を書くときにも、相当役立つこと間違いなし。
自分らしくいることが一番!就活マニュアル本なんていらないさ!自分で納得のいく就活をしてきたみんなが、来年の今ごろ明るく報告していますように・・・。
<追記>
○4年生2月:K区から合格通知が届く(最後の最後には何とかなるもんだ)
K区から待ちに待った合格通知が届く。とっても安心。4月から頑張って働いて、地域に愛される図書館員になれるように努力していきたいと思っている。