テーマ:「大学キャンパスと地域を結んでNPOを立ち上げるとしたら」 自分なりの問題意識とその可能性について述べよ
大学と地域、そしてNPOというキーワードを並べた時、私は以前から抱えていた疑問点を思い出した。それは、大学があまりに地域社会と隔絶しているように感じられたことである。確かに大学キャンパスは、そのアカデミックさを持って、ある程度大学の自治ともいえる独立を得ていなければならないと考えてはいるが、同時に大学生というものは、一般社会からの刺激を受けて、人間的に成長するのにふさわしい時期なのではないかとも考えるのである。しかし、その割に大学生は、同年代で、似通った考えを持つもの同士でまとまりがちであり、地域の人々と影響しあっているようには少しも思えないのである。キャンパス内を散歩したりする一般人も多い、こじんまりしたここ宇都宮大学でさえそうなのだから、他のより大きな大学でも当然同じ現象がおきているであろうと思われる。何か大学生と地域とを結び付けるものはないのだろうか。大学とNPOを考える上で、私はこれを問題意識として提起する。
では、どのようなNPOを立ち上げれば、大学と地域がうまく影響し合えるだろうか。私は、何らかの形で地域と交流を持つ機会があってもいいと考えている学生は少なくないと思っている。少なくとも私の周りはそうである。しかし、なぜあまり交流がないのか。私の思うことから言えば、これらのことがある。1つ、つてがない。何かやりたいと思ってもうまく先が見つからない。2つ、学生のスケジュールは二転三転するので、長期的な活動などにはかかわりたがらない。拘束されたくない。3つ、自分の興味関心のある地域の活動がない、もしくは見つからない。私はこれらが解決されれば、わがままでいいかげんな学生も集まってくると思う。
では、解決策には何が考えられるのか。ここで私は学生と地域活動とをコンタクトするNPOの設立が有効であると提案する。「とちぎVねっと」に案を得たが、私はそれ以上に広い意味での活用を考えている。若い人の参加がほしいイベント、簡単なボランティア、〇〇一日体験に参加してもらうなど、枠にとらわれず、地域の人々が大学生と関わりたいと思うことすべてを手がけてはどうか。学生はここにくれば何かは見つかるだろうと考えて集まるだろうし、地域の人々にも開かれた窓口になる。この可能性は無限である。自分の興味で参加するので、刺激を受けて新たに大学内で何かを立ち上げる動きが起こることも期待できる。第2のNPOができるかもしれない。
既存のNPOにとらわれず、サークル的要素をどんどん加えるのもよい。そのNPO自体がつまらないものでは何にもならない。学生のわがままさを一方的に悪者にせず、きちんと組織と活動目的を定めた上で、時にはアドバイスを受けながら活動すれば、その活動の多様さが逆に他にはない長所となり、成功するのではないだろうか。
課題の「大学と地域を結んでのNPO」とは若干趣旨が違ったかもしれないが、以上が私が考えるNPOである。いずれにせよ、大学生の力を大学内部にとどめておくのはもったいない。地域活性のために大学を誘致するところもある。この事例が成功すれば、これからの大学と地域とのあり方を考える大きな指針となるであろう。