テーマ:NGO団体を1つ取り上げ、どんな団体か説明せよ

 

選択NGO:グリーンピース

 

1.団体の概説

  この団体は地球環境保護を目的として、全世界を範囲に活動している団体である。本部、グリーンピース・インターナショナルがオランダのアムステルダムにあり、日本を含む世界27カ国に支部がある。有給専従職員は約1000名、会員は約250万人である。団体の成立は1971年で、アメリカの核実験に対して抗議行動を起こしたのが始まり。日本支局は1989年に設けられた。

この団体の問題意識は「解決法を妨げるものをどうすればよいか」という点にある。つまり、環境破壊に手を貸している企業、政治、世論を変えていかねば、問題の解決にはならないと考えているのである。したがって彼らの基本方針は非暴力直接行動、政治的中立、財政的独立となっていて、調査結果をもとにした抗議・提言や世論喚起が主要活動である。以下に詳しい事業内容を列記する。

事業対象分野は、環境保護の中でも有害物質、原子力、森林問題、地球温暖化、オゾン層保護、海洋生態系保護が中心である。この分野において、以下の手法を使って活動している。

環境破壊の現場に行き、直接抗議。       環境破壊の実態を調査・分析。

政府・企業などに対する提案・要請。       マスメディアに対する情報の提供。

国際条約の交渉過程を監視、提言。       環境問題に対する世論の喚起。

環境破壊を止めるための行動の呼びかけ。 環境破壊を止めるための代替案の提示。

 

2.団体の活動成果

この団体の専従スタッフは、科学者、ジャーナリスト、外交官、活動家など様々で、広範囲で活動を行っている。その専門家たちによって、実態告発のための効果的な映像発進やレポート作成、国際会議へのオブザーバー参加、科学的分析などを可能にしている。

主要な成果は、1970年代に大気中核実験を国際的禁止させることに成功したことを皮切りに、1985年ロンドン条約において放射性廃棄物海洋投棄の自主的一時停止を達成。南極の汚染と破壊の実態を告発し、1991年に南極条約での50年間開発禁止を達成。1995年には、フランスの南太平洋核実験に抗議し、核実験回数の削減に成功していることなどである。他にもロシアの日本海への核投棄の公表、フロンを一切使用しない世界初の家庭用冷蔵庫「グリーンフリーズ」を1992年に発表した成果などがある。その他地道な活動により、世論喚起に大きな役割を果たしてきた。

 

3.団体の問題点

環境NGOと呼ばれる団体は数多くあるが、この団体はしばしばその過激な行動が話題となり、問題を引き起こしている。時にはその行動が国内法または国際法に違反しているケースもあり、非難を受けている。活動員が逮捕されることもしばしばある。既存の政治的、経済的枠組みのみに縛られると環境破壊という問題は解決しにくいという面があるが、彼らの行動がすべて正しいとは言い難い。違法行為についてはいくつかの事例が報告されているが、建造物などへの不法侵入、威力業務妨害などが多い。なかには、ボランティアが行った行動に対して、当局が必要以上の措置をとった逮捕も報告されていて、意見が分かれているところでもある。

 

出所http://www.greenpeace.or.jp

http://www.kcn.ne.jp/~gauss/wen/gpj.html