宇都宮大学 共通テーマ班 遠藤、澤田、福田、松島
「すべての住民に図書館は役に立っているのか」
T章.図書館の果たす役割
地域の教育・文化活動の拠点として
1.全ての地域住民を対象にしたサービス(健常者と障害者からの視点)
2.住民の住む地域によるサービス格差を解消する(地域からの視点)
3.地域コミュニティー活動の場を提供する(機能の拡大)
4.その他
1.すべての地域住民を対象に
健常者だけでなく視覚障害者や車椅子での利用者等すべての住民にサービスが提供できなければならない。
(1)バリアフリー化、エレベーターの設置や通路の広さの確保など、施設面での整備
(2)ボランティアの募集・養成
2.サービス格差を是正
・相互協力制度の促進
近隣の図書館と相互に本を貸借できる環境の整備(栃木県情報ネットワークシステム)
専門性の高い学校図書館との連携も。
図書購入費を抑えられる。
3.地域コミュニティー活動の場
・コミュニティーセンター
ホールを備え、サークル発表会などの活動が行える場を用意。
4.その他の機能
・地域の憩いの場
すべての人が本を借りるために図書館に来るわけではない。週末の昼間など、閲覧室には本を読むでもなくソファーでくつろぐ人の姿も見受けられる。図書館本来の役割ではないと言う人もいるかもしれないが、長時間くつろげる空間を提供し、市民の憩いの場としての役割があっても良いのではないか。
U章 図書館の限界と展望
<前提> 最低限の図書サービスの提供
<限界> 「少数のニーズにどれだけ答えられるか」
<対策> 図書館ごとに個性を打ち出し、図書館間のネットワークを強化していく。
<自分達の考える一つの方法論>
・ 図書館における県立と市町村立のそれぞれの役割を我々なりに考察してみた。
県立・・・専門性重視。(社会科学や自然科学など学問・学術系)
一般書は置かない。
→一般書は市町村立に行けばあるという状況をつくる必要性がある。
*
市町村立の発展の余地あり
市町村立・・・より地域に密着した図書館づくり。広く一般市民に対するサービス。一般書を多くおき、それに加えてその地域の特色を生かした個性を打ち出す。
例.郷土資料を展示するコーナーを設けるなど、その地域ならではの
特色をもった資料構成で、その地域の住民だからこそ知りたいと
思う情報を提供する。
<展望>
・ 県立と市町村立間とのネットワーク強化の必要性
例.オンライン検索や流通システムの充実
・ 新しい公共文化施設のあり方
例.生涯学習活動の場である図書館に文化活動の拠点であるコミュニティセンターを加えた複合施設。
→設計段階からの住民参加の一例
[コミュニティセンターのメリット]
・様々な使途があり、文化活動の拠点となっている。
・民間施設より使用料が格段に安い。
・活動の場を提供している。
*複合施設にすることで、相乗効果が得られ人々が集まりやすく
なる。
→人が集まれば、公共文化施設として役立っている。
・ 住民への各図書館それぞれの情報提供の強化
例.それぞれの図書館のホームページを充実させる。
*我々が調べていくうちに、現状として住民は図書館の情報を十分に把握しておらず、図書館側の住民に対する情報提供が不十分であることが分かった。しかし、これはすべての公共文化施設においてもいえるのではないか。また、地域住民にとって役に立つ施設というのは、利用者である住民の意見が十分に反映されていなければならない。これからは公共文化施設側からの情報提供を徹底して住民の声にも積極的に耳を傾け、一方の住民側からも公共文化施設に働きかけ(自分らのニーズをきちんと伝え)、双方向の意思疎通を強化していかなければならない。