2000年度ジョイント合宿                                                                   

2000122

宇都宮大学  行政学研究室

岡本・齊藤

特定非営利活動法人

行政と法人、パートナーシップ概念の明確化

 

目次 1.NPOの概念

2.特定非営利活動法人とは

3.NPO法人団体の視点

4.行政側の視点

5.支援策の具体案提示

 

 

1.NPOの概念

NPO Non – Profit  Organization

「民間非営利団体」「民間公益組織」と訳される。

非営利(利潤追求・利益分配を行わないこと)と同時に、非政府である(政府機構の一部でない)こと、自主的・自発的な活動を行う事を意味。

ボランティアとの違い:「無報酬性」と「非営利性」、「個人」と「団体」

<田中尚輝『ボランティアの時代』1998年岩波書店、18頁より>

 

 

2.特定非営利活動法人とは

NPO法人:「特定非営利活動促進法」に基づき認定された法人。

NPO法人は広義の公益法人とされている。一般的に公益法人は、民法第34条に基づいて設立される社団法人及び財団法人を指すが,民法以外の特別法に基づいて設立される公益を目的とする法人のことも指す。それらの法人にはNPO法人のほか学校法人(私立学校法)、宗教法人(宗教法人法)などがある。

 

 

()特定非営利活動法(NPO法)

今までは多くの市民・ボランティア団体が阪神・淡路大震災における活躍のように、社会貢献活動を非営利で行っているにも関わらず、任意団体としか活動をせざるをえなかった。 → 1998319日成立、同年121日施行

民間の営利を目的とせず、何らかの社会的目的のために活動している市民団体が、簡易に「法人格」を取れるようにした法律。ボランティア団体が法人格を持つことが出来る認証制度。

 

利点

責務

・契約の主体に団体としてなれる

・団体名義の銀行口座を開ける

・団体の責任が代表者個人の責任とならない

・企業や行政の委託事業を団体として出来る

対面的に信用がある

相続税がかからない

・申請書(定款等)の提出

・毎年事業報告書・財産目録等の情報公開

納税:法人住民税(年78万)

       法人税(収益事業実施による)等

各種税負担

組織化(目的の明確化・総会開催等)

 

 

()法人設立の流れ(栃木県に事務所がある団体の手続き)

設立総会の開催 栃木県知事に申請 関係書類を公衆に縦覧 栃木県知事の審査 認証または不認証の通知 登記所へ登記の申請 特定非営利活動法人の成立 栃木県知事へ登記完了の届出

 

[申請時に提出する書類]

申請書、定款、役員名簿、就任承諾書、役員の住所または居所を証する書面、

宣誓書の謄本、役員のうち報酬を受ける者の名簿、社員のうち10人以上の者の名簿等。

 

※NPO法に基づく法人格認証数(20001110日現在)

  栃木県61団体、全国で2891団体

 

 

3.NPO法人団体の視点

()特定非営利活動法人 とちぎボランティアセンターインタビュー

20001022日(日) 事務局長 矢野正広氏

@活動内容はどういうことか。

日本においての市民団体やNPOの活動を支える仕組みは貧弱で、十分に機能しているとは言い難い現状。よりよい法律づくりを通しての市民活動のインフラを整備している。そのほか法人申請のサポート、誰でも簡単に市民活動に参加・情報にアクセスできるような情報公開、ガイドブックの発行(行政への働きかけ)等。

 

A行政と各団体の仲介機関としての役割とは。

仲介機関であると同時に、NPOの制度づくりを進めるNPO法人である。1年に1回入れる監査は金がかかるが、組織として必要なことである。(法人の信用のため)外国では当たり前のNPO法人格付けが日本にはなかった。NPO法は、ごく自然な動きから出てきた法であり外国から学ぶ事が多い。海外ではNPOの有給職員は第2の労働市場(アメリカは約1500万人)とされている。活動基盤の整備を中心に、双方に刺激を与えている。

 

B行政への期待は何か。

NPOの社会的認知の低い現在、行政の先導的な役割への期待は高い。行政がもっと事業委託等に積極的に機会を開いたり、広報誌やイベントの際に、ボランティアやNPOの登場する場面を頻繁に設けるなどをしてほしいし、呼びかけている。社会的認知・評価を高める上で行政の協力は不可欠。それと日本の職員の置かれている不安定な状況、報酬の少なさの改善も問題だ。

 

    民間がつくったサポートセンター:31団体(20007月)

    自治体がつくったサポートセンター:16団体

 

 

()特定非営利活動法人 水戸こどもの劇場インタビュー

20001118日(土) 森田多美子氏

@活動内容はどういうことか

親子の協同活動の機会提供(ワークキャンプ、舞台鑑賞等)をしている。会員は現在430名、月会費は1000円、法人申請以前より活動している(30年間)。昨年法人格を獲得した。

 

A活動をする上での問題点は何か。

昨年は支出2300万のうち、約半分は会費、他は助成金・寄付金でまかなえた。寄付についても、ある企業より施設の無償譲渡の申し出があったが、それを売られたものとして課税されるの今の税制に困っている。もっと企業や個人が寄付しやすい環境整備をしてほしい。活動のための会費徴収が、営利活動として見られてしまうことがある。課税非課税の基準が分かりづらい。税務署に不信、安心して活動できるよう、はっきりした基準の区別を。

 

 

4.行政側の視点

()栃木県庁生活環境部文化振興課インタビュー

2000118日(水) 主事佐藤氏

@県はNPO法人に補助金を出しているのか。

現在栃木県では、NPO法人に対しての補助金は一切ない。補助金の対象にそもそもNPO法人は含まれていない。

 

ANPO法人への支援策はどのようなものがあるか。

現在具体的な政策は何もない。栃木県五ヵ年計画が今年より新たに始まり、その中でNPOへの支援を検討中。支援に向けての懇談会等を開いている。栃木県ではなく、他の自治体の支援策が掲載されているので、参考にしてほしい。

 

B県はNPO法人をどのように位置付けているか。

NPO法は行政の裁量の入る余地のほとんどない特徴である。監督権限はあるが、基本的に口を出せない特殊な法律。NPO法人は他の公益法人に比べて行政の監督権限は弱いが、活動報告・決算表など事業報告書の提出や、団体の定款・役員名簿等と一緒に市民に情報公開を毎年義務付けられている。NPO法人は、情報公開により行政が監督するのではなく、市民が管理・監督するのが基本姿勢となる。

 

他の公益法人=申請の際に財産制限等あり

NPO法人=よほどの事件や、あきらかな定款違反(市民からの客観的な理由の証明による)など相当な理由がない限り、監督権限は行使できない。(NPO法第41条1項)

※同課は広報誌「まろにえーる」で地域社会貢献活動情報を発信している。

 

 

()NPO税制実現のための茨城集会

                  20001118日(土) 水戸市民会館大会議室

             主催:特定非営利活動法人 茨城NPOセンター・コモンズ

                                               NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会

 

支援税制の論点:@従来の公益法人の税制優遇とどれだけ違う仕組みが作れるか。

ANPOを育てていくことが税制支援の目的とされているか。

B寄付に対する税の減免、事業課税に対する課税の軽減の実現

 

 

<衆議院自民党・額賀福志郎NPOに関する特別委員会副委員長の発言より>

「 NPOは時代の大きな要請であり、もう官僚中心は限界。“国がいかに何をしてくれるか”という日本社会の習性への危機感を指摘していた。欧米と違って政府だのみ、依存していた時代が長い。政府に税金を納めて、政府に期待してきた事を、税制改革により市民に優遇する事で、自分の判断で地域社会に貢献して欲しい。 」

 

<参議院民主党・小林元議員の発言より>

「 行政コストを下げる必要性がある。天下り先を探そうという社会傾向があるので、NPO法人は、きちんとした第三者的機関が法人認証をするべきだ。GDPに占めるNPO比率は3.2%と低いが、他国より規模は小さいが濃い内容の活動をしている。 」

 

 

[ 感想として ]  大蔵省はNPO法人への寄付税制に対しては、実施する方向だが、課税軽減や減免には、消極的と新聞は報じられている。国会議員の発言から、認証することにより監視するというような行政側の思惑を受けた。“政府に入れてから自分たちが配分する”という大蔵省の権限への固執も強く見受けられた。98年に先送りとなった支援税制も、結局は政府の権限を離れる事という根本問題があるように思えた。先送りとなった理由の1つに、数多くある団体の活動実績、地域貢献などで、第三者からの視点での信頼問題もあるように感じた。

 

 

5.支援策の具体案提示

()栃木県の支援施策案をみて

実際にNPO団体に訪問して、行政への希望や言い分を知った上で県庁を訪問した。そこでは、当事者である団体の方でなくても、対応のあいまいさや、事前に得た情報量とのギャップに、市民の認識の低さを再確認した。栃木県の遅れた対応を隣の群馬県と比較してみたが、栃木県の消極的というか、自発性のなさが感じられたが、これは県の2000年行政改革案にも裏付けられる。県の市民活動推進のために、調べたことや訪問した際受けた感想をもとに、栃木県の支援策の具体案を提示して、まとめとしたい。

 

栃木県の支援施策案

テーマ:県民参加の促進<ボランティア等民間活動との連携>

ボランティア活動やコミュニティ活動の県民の自主的な活動に対して、情報提供やネットワークづくりなどの側面的な支援を行うと、2000年のとちぎ行政改革の一部として挙げている。

@     社会貢献活動の健全な発展に向けての栃木県における促進方針を策定。

A     ボランティア活動等を推進するための県民向け普及啓発事業の実施や関係機関、団体等との連絡会議を開催 → 広報誌「まろにえーる」の発行/市町村NPO担当者会議の開催など。

B     特定非営利活動法人設立を希望するボランティア団体等が円滑に手続きが行えるよう説明会、事前相談を実施する。

これからは、引き続き広報誌「まろにえーる」の発行などにより普及啓発を図っていくとともに、各種会議を通じてNPOやボランティア団体とのネットワークづくりや適切なパートナーシップのあり方を係る検討を推進していく。

 

→見解をみて:     栃木県の対応の遅れへの指摘                                     

                   広報誌「まろにえーる」の存在と便宜性                            

 

上記の栃木県の見解は主に自治体の施策案として、一般的なことを挙げている。情報ネットワークの確立などは、すでに他の自治体では具体的に制度化が進められているものであるし、行政に求められることとして、最初に挙げられるようなことである。官僚依存体系の限界や、市民活動が促進されてきている世の中の流れを見れば、行政との協働(パートナーシップ)は欠かせないことであり、むしろこれがなければNPO法人の活動にはすぐ限界がきてしまう。当たり前のことを今年の行政改革案として挙げている栃木県の対応の遅れを指摘せざるを得ない。

 

広報誌である「まろにえーる」は、“地域のためにできることからはじめよう”というテーマの元に、地域で行われている活動を紹介・応援し、活動の輪を広げられるように発行されたものである。NPO団体を紹介してり、PRをしているのだが、それはこれからの社会において市民活動の重要さを強調し、県民のまちづくりに対する意識の向上を呼びかけている。重要性を強調しているのなら、なぜそれをバックアップする施策を“検討”という言葉で、いつまで引き伸ばしているのだろうか。他の自治体の動きをみてから腰を上げるような栃木県の姿勢が見受けられるので、今回の行政改革案も、本当に担当者レベルだけでなく、具体的な施策を提示して議会で議論されるようになるのかという不信感を自然と持ってしまう。広報誌を県が発行していることだけに意味があるようで、支援案を思案しているように見せているように、インタビューを聞いて感じてしまった。広報誌からは県の動きは見えてこない。

 

 

(2)広報誌とホームページの改善案

具体的な支援策を提案する前に、現在行われている県の広報活動について検証してみたい。

@広報誌      存在感アピール(発行回数増加)

                  多様な分野への対応

                  県の動きを紹介(全体論ではなく県としての意見の掲載)

 

広報誌「まろにえーる」は県の公共施設はもちろんのこと、学校や企業に無償で配布しているものである。広域に配布はされているが、年に2回の発行のためか存在感が薄い。市民の活動参加の促進を図っている趣旨が発揮されていないので、発行回数を増やすほかに、県庁だよりで広報誌の存在をアピールしてほしい。それに「まろにえーる」は、県の医事厚生課で発行していた広報誌をリニューアルしてためか、介護福祉関係の団体紹介が多く目立つ。県の世論調査では、NPO団体に所属している人のほとんどはボランティア活動経験があり、今後も参加意向を持っている人が半数を超えている。その活動したい分野は多様だから、それへの対応もしてほしい。

 

Aホームページ    団体紹介の内容充実

                       利用されることを考えての便宜性

                       県の動きの報告

 

栃木県は具体的な施策案をもとに動き出していないのだが、県庁のNPOホームページは充実した内容である。NPOに関する基本的な説明から、NPO法の概要等一般的な内容を掲載し、県内のNPO法人団体も紹介している。しかし県内のホームページ上で団体の紹介がされてはいるのだが、現時点では法人名・代表者名・所在地・定款に記載された目的だけであり、1団体4行程度である。だから、実際にホームページを見ただけでは記述が難すぎて、団体の具体的な活動内容や、実績が分からず、直接住所をたよりに団体を訪ねるか、県庁で申請書類を閲覧しない限りわからない。県庁の方も定款等を閲覧に来る人はほとんどいないとおっしゃっていた。私たちも、実際ホームページ上で見た団体を訪問しようとして申請書類を見たら、昨年は何も活動をしていない状況が分かった。

 

改善案としては、ただ登記日付ごとに団体を羅列するのではなく、活動分野別とか、地域別に分けた方がいい。それに各団体は常に自分の団体の宣伝を願っているのであるから、一定スペースに団体自身がPRを書き込めるようにするか、団体のHPにリンクできるような工夫も必要だ。ホームページ上で紹介するのなら、見た人がその情報を活用できなくては意味がない。それに、栃木県としてのNPO支援に対する動きの記述がまったくないため、国や他自治体ではなく栃木県がなにをしているかがわからない。それを掲載するのが大事なのだが、栃木県には課に担当がいるだけで、県としてのNPO専門機関が存在しないため、掲載内容への問い合わせのメールも出せない現状がある。

 

 

(3)県としての専門機関設立へ

       開かれた特性         機関の構成、常の報告・情報公開

 

栃木県の支援施策案は抽象的かつ一般論であると先に述べた。案の@からBを具体案として示しているが、特にAの県民向けの普及啓発事業の実施はどこの機関がやるのが明確ではない。明確にする前に、県にはNPO専門機関がないので、各団体もどこに自分たちの要望や相談事をぶつけて良いのかが分からない。県全体に話を持ち掛けても、「検討しておく」等の言葉で済まされ、結局なんの動きも生まれてこないのではないか。県は施策案を出しているのだから、それに書かれたことを現実に実施に向けて取り組んでいるのかどうか見えない。タイムリーにホームページや広報誌上できちんと報告し、市民が行政の活動を評価できるような制度づくりも専門機関を中心に行って欲しい。この専門機関も行政職員だけで閉鎖的に構成するのではなく、学識者や県内の団体の代表者等も含むなど、常に開かれた性質を持つべきである。政策を形成する段階からの市民参加の姿勢を前面に打ち出してほしい。

 

 

(4)NPO団体の意識

       魅力づくり(信頼と実績の伴うよう努力)

       行政への要望              行政への理解

       本音と建て前の関係からの脱却

 

政策形成の段階から市民が参加できるようになっても、当事者であるNPO団体に活動実績や、信頼性がないと行政と対等な関係は築きにくい。例えば、高い会費に見合う便益を享受できているかという問題がある。寄付や会費を受け取ると同時に、企業でいう消費者ニーズに答えた商品開発、行政でいう安定的な公共サービスの提供のように、寄付をした人に魅力を感じさせるような努力や工夫が必要である。相手の期待を起点とした、自らの活動に必要な資源を確保するような志と現実的な活動計画など、自立した経営意識も大切だ。茨城のシンポジウム中での団体の発言に、「行政の事業は税金を使い(もちろん課税されず)、職員には高い給料が支払われる一方,活動費捻出のため無給で努力し,やっと得た利益から無常にも税金をむしり取られる」というものがあり、寄付金に税がかからないよう、法の向け道を探していると言っていた。自分たちの活動上において、切実な問題を訴えていたのだが、この団体のように“公益のことをしているから”と言って、行政に対してお金や便宜の希望ばかりしているだけでは、行政職員は市民活動に対して構えてしまい、どんどん建て前ばかりで、お互いに言いたいことがよくわからない。行政のNPOへの理解不足を指摘するのなら、団体ももっと行政への仕組みや特質を理解した上で、行政と一緒に活動するべきである。

 

 

(5)総括として

地方分権の進む今、住民自治の確立に向けた取り組みを進めるまたとない機会であるから、市民のニーズを反映したまちづくりを、行政と市民が一緒となって進めていく上で最も基盤となるものの整備を早期にしてほしい。その基盤として、私たちは開かれた広報誌・ホームページの改善と、専門機関の設立を挙げた。現在行政とのパートナーシップ関係づくりの橋渡しとして、サポートセンターの存在がある。センター内のメールボックスは、グループ内の連絡や、他のグループへのチラシ等は配布に利用できるが有料であり、会報やチラシのためのコピー機や簡易印刷機の利用も同様である。体系的な環境整備と共に、団体のとっての最も身近な諸問題の解決策を行政側と対等に話し合える関係を望む。本音と建て前の上ではない、行政と団体双方の意識革新を指摘し、お互いの役割を認識して、信頼の上に立った関係づくりへと、これから進むべきである。

 

 

<参考資料>

シーズ=市民活動を支える制度をつくる会  http://c-s.vcom.or.jp

とちぎボランティアセンター   http://www.as.lancenet.or.jp/tvnet/

日本青年会議所栃木ブロック協議会  http://www2s.biglobe.ne.jp/~bl-tochi/NPO.htm

地域社会貢献活動広報誌「まろにえーる」1998年春号〜2000年秋号

 

 

 

<資料1> 特定非営利活動の定義

 特定非営利活動とは、次の@とAの両方にあてはまる活動のことである。

 @ 法で定める次の12のいずれかの活動に該当する活動

   1.保健、医療又は福祉の増進を図る活動  2.社会教育の推進を図る活動

   3.まちづくりの推進を図る活動          4.文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動

   5.環境の保全を図る活動                6.災害救援活動

   7.地域安全活動                        8.人権の擁護又は平和の推進を図る活動

   9.国際協力の活動                     10.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動

   11.子どもの健全育成を図る活動

   12.以上の活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

 

 A 不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動

不特定かつ多数のものの利益とは「公益」と同じ意味である。すなわち、法人の活動によって利益を受ける者が特定されず、広く社会一般の利益になることをいう。構成員相互の利益(共益)を目的とする活動や、特定の個人又は団体の利益(私益)を目的とする活動は、特定非営利活動ではない。

 

 

<資料2> 法人設立のための要件

 この法律により『法人格』を取得することが可能な団体は、「特定非営利活動」を行うことを主な目的とし、次の要件を満たす団体である。

@ 営利を目的としないこと。 

A 宗教活動や政治活動を主たる目的としないこと。

B 特定の公職の候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦、支持、反対することを目的としないこと。

C 特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として、事業を行わないこと。

D 特定の政党のために利用しないこと。

E 特定非営利活動に係る事業に支障が生じるほど収益事業を行わないこと。収益事業を行った場合には、その収益を特定非営利活動に係る事業に充てること。

F 暴力団又は暴力団若しくはその構成員の統制下にある団体でないこと。

G       社員(正会員など総会で議決権を有する者)の資格の得喪に関して、不当な条件をつけないこと。

H 10人以上の社員を有すること。

I 報酬を受ける役員数が、役員総数の3分の1以下であること。

K 役員は、禁治産者又は準禁治産者など、法第20条に規定する欠格事由に該当しないっよこと。

L 各役員について、その配偶者若しくは3親等以内の親族が2人以上いないこと。また、各役員並びにその配偶者若しくは3親等以内の親族が、役員総数の3分の1を超えて含まれていないこと。

M 役員として、理事3人以上及び監事1人以上いること。

N 会計は、次に掲げる会計の原則に従って行うこと。収入及び支出は、予算に基づいて行うこと。会計簿は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳すること。財産目録、貸借対照表及び収支計算書は、会計簿に基づいて収支及び財政状態に関する真実な内容を明りょうに表示したものとすること。採用する会計処理の基準及び手続については、毎年(毎事業年度)継続して適用しみだりに変更しないこと。

<栃木県庁NPOページ  http://www.pref.tochigi.jp/kenmin/gaiyou.htmより>

 

 

<資料3>NPO法人の活動・運営の実態に関する調査(12425日報告)

組織概要

活動概要

 

組織体制

 

法人格取得理由

法人格申請以前から活動76.3

多い分野=医療・保健・福祉45.1

常勤スタッフ68.1%(そのうち有給者43.4%)

非常勤スタッフ81.5%(そのうち無給者51.9%)

対外信用を得るため81.4

財政状況

収入構造

 

 

支出構造

 

寄付募集タイプ

会費収入あり90.6

事業収入あり69.1

寄付金あり60.8%(そのうち46.5%が1〜200万未満)

事業費支出あり87.3

人件費支出あり60.4

口コミ33%、文書による寄付協力要請32.3

広報誌等に寄付協力掲載21.3

活動タイプ

無償

 

有償

広報誌の発行46%、相談活動40.1

資料収集や情報提供39.8

人材・労力の派遣31.1

イベント・シンポジウム等企画開催24

税制優遇

NPO法人団体

所轄庁

必要96

一定の条件を満たした法人には必要95.7

経済企画庁より委託、サポートセンター3団体が実施

<経済企画庁 http://www.epa.go.jp/98/a/19981027jpmenu/npomenu.htmlより表化>